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「えぇ!?だ、駄目だよ!優也君だけには絶対に口が裂けても言えないよ!」
たしかに少し突っ込んだ質問をしたのは失敗だと反省したが、まさかここまでオーバーに拒否されると思っていなかった優也はその場で地面に這いつくばりそうになる。
くっ……俺には口が裂けても言えないってあれか?もう口が軽いから信用されてないって事なのか。
だったら仕方ない……。
卒業式の日に俺はそいつに決闘でも仕掛けるしかないようだな。
いつの間にか優希の問題の解決法が定着しつつある優也であったが、千佳はそれでも幸せそうにチラチラと優也を眺めていた。
「だけどちょっとだけヒントね……」
そんなあれこれと頭を抱えていた優也であったが、千佳はそう言って高さを合わせるように背伸びをすると……。
そのまま優也に顔を近づけて頬の辺りに軽くて小さなキスをした。
そんな不意打ちのようなキスに優也は当たり前のように呆気に取られるが、月明かりに照らされた千佳は今日一番の笑顔を優也に向けた。
「それじゃあ私はこの辺りで大丈夫だから、明日からは頑張っていこうね!それじゃ……バイバイ優也君!」
そしてそう言い残し走り去ってしまった千佳であったが優也は呆然としたまま、まだ感触の残る頬に手を当てた。
「ど、どうなってるんだ?」
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