決戦!未来の学園に必要なもの。

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どうやら沙恵さんにも外の状態にはお手上げらしく、ここで様子を見ていたらしい。 「それを隠れていると言うと思うのですが、それよりも私が訊きたいのは1つ……お母さん。何があったの?」 急に不安そうな表情で沙恵さんを見上げる香奈は、きっと誰よりもこの件に関して理由を知りたいはずだろう。 それに俺だってこのタイミングで学園長が変わるなんて信じられないし、ましてや沙恵さんが簡単に生徒たちを置いていくような人ではないと分かっている。 だがそれを仕向けた人物に心当たりがあるからこそ俺たちはここにいる。 「それが私もまだ全部を把握した訳じゃないんだけど、今日の朝に速達でこれが届いたのよ」 そう言って沙恵さんがテーブルの上に置いたのは分厚い紙の束で、その紙にかなりの人物の名前と印鑑が押されている。 俺にはただ名前が書かれているだけの紙にしか見えず、そこまで重要な物なのかと疑問に思ったが、それを香奈は信じられないと言いながら紙をまじまじと見つめた。 「そんな……これは署名ですよね?それも今の学園長の不信任を掲げたものじゃないですか」
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