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翌朝……俺は朝早くからカーターに今日からしばらく双子の面倒をよろしくお願いしますと頼み、連絡を入れた直後に稚咲がノックなしにドアをいきなり開けた。
「いつまで準備に時間掛けてるのよ!早く電車に乗らないと満員になっちゃうでしょ!」
「今日は学園とか近くの学校は休みだから混まないと思うぞ……」
「で、でも!万が一があるじゃない!とにかくあと3分で下りてきなさいよ!」
稚咲は勢いよくドアを閉め、俺は再び言われるのも嫌なので素早く準備を整えリビングに下りると、俺がいるのに気付いてないのか、稚咲はうっとりとしながら遊園地の券を眺めている。
「遊園地楽しみだな」
「うん!だって久しぶりだもん……あー。早くジェットコースターに乗りたい!って……な、ななっ、なんであんたが居るのよ!」
稚咲は飛び跳ねるように立ち上がり、昨日と同じように睨み付けてくる。
というか稚咲が早く準備をしろと言ったから準備をしたのに……。
「本当は遊園地に早く行きたかったんだな、気付かなくて悪かった」
「ち、違うわよ……私はただ満員電車が嫌いなだけで、遊園地も子供が行くような場所だし……」
そう言いつつも遊園地の券はしっかりと握られていて、稚咲の顔は恥ずかしいのか少し赤くなっている。
こんなに素直じゃない人がいるんだな……それとも俺に子供扱いされるのが嫌なのか。
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