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それから２人は廊下まで戻ると、今日の放課後に最後の打ち合わせをするという内容のメールが届いていたことに気付く。
「伊集院さんからって事は、もう向こうの耳にも入ってるみたいだな」
「そのようですね……まさかこんなにも早く先手を打たれるとは思ってもいませんでしたが、今度はこちらの番です」
俺はそれに無言で頷き、来るべき時に備えて教室へと戻った。
しかし当然教室は学園長の話題で持ちきりになり、その熱は昼休みに入っても冷めることはなかった。
だが優也のクラスで１人だけそんな話題に興味も示さず、窓の外を眺める生徒がいた。
「鵜島さんは学園長が変わっちゃうかもしれないのにあんまり興味なさそうだな」
それは未だに十蔵の手によって縛られている景加であったが、話しかけてきた人物が優也だと分かると少し間を開けた後に小さく呟く。
「……何の用？」
「別にこれと言った用事はなんだけど、ただ最近の鵜島さんは元気がないから心配になったんだよ」
そう言いながら優也は景加の隣の席へと座ると、特に会話を投げ掛けるわけでもなくただじっと同じように外の景色を眺めた。
それに耐えかねた景加はチラリと優也の方に視線を移し、冷ややかな言葉を送る。
「用がないなら自分の席に戻ってくれない？私も暇でこうしてる訳じゃないから」
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