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お、おかしくなっちゃう?
その表現に優也は一瞬疑問を抱くが、千佳は慌てて首を振りながら優也の元へと駆け寄る。
「変な想像とかしないでいいから!というより優也君いつもより来るのが早いね?」
千佳のふとした質問であったが、こうやって千佳と早く会いたいからという理由で早く来たことは恥ずかし過ぎて言えない。
「まぁ、あれだ……最後の打ち合わせだからなるべく長く話がしたいから早めに来たんだけど、まだ他の人は来てないみたいだな」
なので優也はそれらしい言い訳で回避すると、中央に置かれたイスに座り皆が来るのを待つことに。
しかしそれから数分が経っても誰も来る気配がなく、そろそろこの気まずい雰囲気に耐えられなくなってきそうだ。
千佳の方は生徒会の仕事であるプリントの整理をしているようだが、時折こちらに視線を向けてくるのが余計に気まずさに拍車をかけている。
はぁ……もっと普通に会話が出来ると思ってたんだけど、現実はそう上手くはいかないもんだな。
テーブルに突っ伏し無気力になりそうになるが、少しでも千佳と元通りになるために何かしようと考え、千佳の好きなお菓子とお茶を淹れようとしたところで優也はようやく気付いた。
それは何となく誰かが来ないかと部屋のドアに視線を向けた時で、不自然な隙間からこちらを覗くいくつもの光る視線。
あ、あいつら……。
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