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「確かに不審なヘリが近付けばすぐにお祖父様も警備の人間をよこすかもしれません。ですが今回使うのはわたくしが用意する伊集院グループの人間専用のヘリですからご心配なく」
それは何とも心強い物であったが、それだけでは完璧とは言い難いかもしれない。
そんな不安も浮かんだが、小春はホワイトボードに書かれた数人の名前に丸を書き足した。
「もちろんそのヘリにはわたくしも乗りますが、他に千佳様と詩帆様にも同乗してもらいたいですの」
「えぇ!?で、でもそれじゃあ私と詩帆ちゃんが一番最初に十蔵さんと会うって事ですよね!?」
「いえ……そうではありませんの。2人には別の仕事をやってもらいたいと考えていますが、これは強制ではありませんので断ってもらっても構いませんの」
「でも伊集院さんが私と千佳さんを選んだって事は、その仕事に適任だと思ったからなんですよね?」
「そうですね……確かにわたくしがお任せしたいのはこの2人ですが、あまりそれは気にしなくても構いませんの」
詩帆さんはそう言われたが、だったら断る理由はないと二つ返事で了承し、千佳もそれに異論は挟まず頷いた。
「ご理解ありがとうございます。では次に優也様の経路ですが、優也様は最初に言った通り正面玄関から入ってもらいますの」
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