決戦!未来の学園に必要なもの。

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「なるほど……つまりは私のホームグラウンドで戦う事が出来るという訳だ」 会長のホームグラウンドは敵の最前線じゃないだろうかと一瞬脳裏を過るが、口に出せばまたややこしくなるので黙っておこう。 「えぇ。伊集院グループの警備は完全に独自で行っていますが、災害時や防犯用システムは他社の力を借りていますの」 それがどうなったら会長のホームグラウンドになるのだろうか? そう優也は疑問に思ったが、ここで香奈もその言葉の意味に気付く。 「天音の家は国内では最大の警備会社ですの。その種類は幅広く、伊集院グループの警備の人間をそっくり変えるのは不可能でも、機械の方には隙がありますの」 それはつまり会長の権力でビルの防犯システムとやらを無力化……上手くいけばこちらの武器としても使えるって事か。 「これは展開次第では大きく状況を左右する役割ですの。だからこそ頭のキレる香奈様と、それを実行できる天音にお願いしたいんですの」 「ふん。お前に指図されて動くのは少々癪だが……警備会社に関しては父の会社の右に出る者はいないからな。その防犯に携わる全ての会社に圧力をかけてやろう」 国を守る会社というのは日常ではあまり縁のないものだが、こんなにもその親会社の娘が仲間にいると心強いとは。
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