決戦!未来の学園に必要なもの。

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他人を裏切るという過ちは理由次第では簡単に出来てしまうが、裏切った後にまた仲良くするのはとても難しい。 けれども前のように仲良く出来るのなら、そんな事すら些細な事に思えてしまう。 「鵜島さんは確かに和羽や関羽を傷付けたかもしれない。だけど一番傷付いたのは鵜島さん本人だってみんな分かってるから」 何度も悩み、何度も心が折れそうになったに違いない。 そんな時に誰かを頼りたくても頼れないというのは考えるだけでも息が詰まりそうになる。 「気にするなとまでは言わないけど、きっとあの2人も直接謝れば許してくれるはず。だから……その元凶である十蔵さんを一緒に止めてくれるか?」 そう言って差し伸べた優也の手は大きく、景加はもう二度とこの手を離さないと決意するのだった。 「うん……」 「よし……それじゃあこれで全員揃った訳だし、久し振りにみんなで下校しますか」 もうこの話は終わりだと言うように優也は切り上げると、その意見に反論する者はおらず、夕日が沈む直前の校舎に横一列で影が出来ていた。 その列に並んで歩くメンバーの表情は一様に明るく、それは誰が見ても仲の良い友達の下校風景であった。 「それにしても優也さんは幸せ者ね……こんなに美人な女の子たちに囲まれながら下校できるなんて」 「まさにハーレム王」 「誰がハーレム王だ!というか詩帆さんも鵜島さんもそこで俺に指差しながらヒソヒソ話を始めないでくれるか!?」
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