決戦!未来の学園に必要なもの。

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それに俺にはもう心に決めた人がいるからな……。 そう思いながら優也はチラリと千佳の方を向くと、千佳も優也の方を見ており視線がバッチリと合う。 すると千佳は恥ずかしそうに顔を赤くし、少し気まずそうに笑いながらも小さく手を振られた。 そんな反応に優也はどういう意味なんだろうと一瞬考えたが、香奈に横から制服の上からぎゅっと摘ままれ現実へと引き戻される。 「何を満更でもないような顔をしてるんですか……ただ千佳さんに手を振られただけなのに」 「えっと……最後の方がよく聞こえなかったんだけど?」 「聞こえない声で喋りましたからね」 そう言って香奈にツンとそっぽを向かれてしまい、何故か早歩きで千佳の方まで駆け寄っていった。 「くははっ。どうやら幼馴染みに振られたようだな……寂しいなら私が癒してやろうか?」 そしてここで心底面白そうに笑う会長が現れ、肩をポンポンと叩かれながら励まされる。 「別にいつもの事なんで大丈夫です……それよりもさっきの会長の笑い方は完全に悪役の笑い方でしたね」 軽い冗談のつもりで言ったはずであったが、すでに優希は指の骨を鳴らしながらウォーミングアップを始めていた。 「だったら悪役は正義のヒーローと戦わなければならんな……まぁ、セオリー通りに行くとは限らんが」
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