最終章。春の入学式は桜の下で

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それはいくらなんでも無理があるだろうと焦るが、そう考えている間にも後ろからはスーツの男たちが迫っている。 そんな状況に優也がとるべき行動は1つしかなく、正面玄関を入ってすぐにあった階段を目指して再び走り出した。 だが今回の相手はかなり悪く、日頃から鍛えられている男たちをなかなか撒けずにいた。 ヤバイな。体力的な問題なら俺の方が有利かと思ってたけど……向こうも選りすぐりの精鋭で追っているらしく、むしろ距離も徐々に縮まっている。 ここで捕まれば作戦失敗にも直結しかねないため、優也はまさに死ぬ気で走るが、男たちの表情は優也よりも辛そうにはしていない。 まだどこかに余裕があるのかよ……。 そんな雰囲気に精神的にも追い詰められ始めた優也であったが、ようやく上へと繋がる階段を発見した。 しかし……。 もうそこにも先回りしたスーツの男が数人で見張っており、とてもじゃないが突破出来るような隙はない。
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