最終章。春の入学式は桜の下で

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そんな優也の慌てる声は舞たちには届かず、智恵の声と共に発射されたのは野球ボールほどの球体で、スピードは速くはないが煙を出しながら男たちに向かって行き……。 ちょうど男たちの頭上辺りでその球体は弾け、閃光弾さながらの光が視界を遮ったかと思うと、次の瞬間にバチバチッという激しい電撃音が炸裂した。 「「「ぐぁぁぁっ!?」」」 それからすぐ、優也の視界が戻って来る頃には階段を守っていた男たちが横に倒れており、その威力の大きさが分かる。 「殲滅完了。優也、今のうちに2階へ……」 「もう少し抑えた物は無かったのかよ!というかあの人たちちゃんと生きてるんだろうな!?」 「もちろん。私たちの心の中で彼らは永久に生き続けている」 「やかましいわ!って……とにかく急ぐぞ!」 悪いがこちらも悠長に安否を確認している暇もないため、合流した舞と智恵と共に2階へ上がると、舞がおもむろに携帯を取り出した。 「優希!2階に上がったわ。今すぐ例のシャッターお願い」 そしてそんなやり取りが聞こえた後、階段の天井に取り付けてあったシャッターが勝手に降りてくると、追ってくる男たちが来る前に1階と2階が完全に遮断された。
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