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「はぁ!!!????」
「あら、嫌なのかしら。じゃあなんで私を拾ったりしたの?一時の同情だけで拾ってまた捨てるつもりだったのかしらね?」
「いや....そんなつもりは無いが」
「じゃあなんで嫌そうな顔をしてるの?」
女の子は少しだけ悲しそうな顔をした。
「....少したったら家族に相談して飼おうかなと思ってたんだ。だから捨てる気なんて毛頭ない。だけど拾った猫は実は女の子でしたってのは...」
「てのは?」
「.....猫だったら家族は了承してくれただろうさ、別に動物は嫌いじゃないだろうし。だけど女の子となると話は別だ。家族に見ず知らずの女の子を連れてきたとか言ってみろ?俺は即犯罪者扱いだ」
「バレなきゃ良いじゃない」
「バレなきゃって....」
「あなたの家族の前では猫で、あなたと2人の時は人間の姿になればいい。それだけよ」
「それだけっつったってなぁ...いくらなんでもリスクが高すぎるだろ」
「....だめ?」
「うっ.....」
女の子はうるうる上目遣いで攻撃してきた!!
こうか は ばつぐんだ !
おれ は やられた !
めのまえ が まっくらに なった !
「....分かったよ」
「ただし休日は良いとして平日の時はどうするんだ?俺は普通に学校だぞ?」
「そのときは猫の姿で一緒に行けばいいわ」
「一緒にって....そもそも学校に猫は連れて行けないだろ」
「人形の振りをしてるわ」
「えぇーー....」
つーことはあれか、男子高校生の俺がいい年こいて学校に白猫人形を持ち込んで行けと....
「....(うるうる)」
「....分かったよ、分かったからそんな目で俺を見ないでくれ!!!」
「ありがと♪」
....上手く乗せられてるなぁ俺
まあ家に居るよりかは一緒に居た方がリスクは減るのかな....
スッ....
「ん?」
「あなたの名前は?」
「.....あぁ、俺の名前は蒼太...広瀬 蒼太<ヒロセ ソウタ>だ。みんなからは《ソウ》って呼ばれてる」
「分かったわ。ソウ。じゃあ改めまして私はレンよ。よろしくね」
「あぁ、よろしく」
そう言って握手を交わした。
これで俺と猫の女の子....レンとの奇妙な?1つ屋根の下での生活?が始まった。
これからどうなるんだろうか....
俺の中には不安が渦巻いていた........
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