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クロスが 息を切らせながら 自分の部屋の前に 辿り着くと ルミアと他の司教達とで 調度 ベッドを運び出す所だった。
『ルミア…皆…ちょっと…待って…!』
クロスの声に 皆が こちらを向いた。
『クロス…。レナん所で 休んでろよ。』
ルミアの言葉にクロスは、頭を横に振った。
『ううん…。そんな事 出来ないよ。嫌なんだ…皆に 迷惑かかるのが…。だから ちゃんと 一人で 治すから ベッドを 戻して欲しい。』
『お前が 嫌なら ベッドは 戻すが…。だけど 俺達は 迷惑とか 思って無いからな。心配されんのが そんなに嫌なのか?』
『…ルミアや皆の気持ちは 嬉しいけど…今は 一人になりたいんだ。』
クロスが そう答えると ルミアは 周りの者達に ベッドを元の位置に 戻すように 促した。
クロスは ホッと 胸を撫で下ろした。
けれど…胸が 痛む。
隠し事をする事が こんなに 痛い事だったなんて 知る由も無かった。
自分は 苦しみも悩みも無く 幸せな毎日を送れていた。
その 日々は 彼等が 居たからだ。
優しく見守っていてくれた…。
だから 大切にして行きたい。
皆に 迷惑をかけちゃいけない。
自分の事は 自分で出来るようになりたい…そう 強く思った。
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