茨の願い 薔薇の撹乱

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遠い過去…。 僕は まだ 誕生したばかりで 周りに 中々 馴染めなかった。 『貴方が 黒き茨?』 可愛らしい妖精に 声をかけられた。 『放っておいてくれない?』 投げやりに答えると フン!と 妖精は 去っていく。 毎回 毎回 繰り返し尋ねに来るから 嫌になる。 奴らは 如何に 自分達が 美しいか 如何に 華やさがあるかを 自慢しに来るだけだ。 僕と比べて 優位に立ちたいだけなんだ。 僕は…花さえ咲かせられない 黒き茨…。 神は 何故 そんな存在を与えたのだろう…。 美しさの欠片も無いのに…。
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