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「さっきの話聞いていたけど、ユウトってそんなに落ちこぼれなの?」
「そりゃそうさ、だって基本的な魔法も使えないんだぜ、勉強も出来ないし、取り柄といったら剣術だけ。それも並の術者にかかればあっというまにコテンパンにされるぐらいのレベルだからなあ、落ちこぼれ以外の何者でもないって、ミラさんもあいつみたいなのにかかわらないで俺達みたいな…」
「じゃあ聞くけどあなた千体のホラー相手に勝てることができる?」
男子二人はキョトンとした顔になった後ありえないといった感じで手を左右に振った。
「冗談きついってミラさん。そんなの戦う前に瞬殺されておしまいだって」
カラカラと笑う二人にミラは冷たい目線で見ると笑っているようで笑っていない笑顔を向ける。
「そう、だったらあなた達は彼以上の落ちこぼれってことになるわね」
ミラの言葉で周囲が凍りついたように静まりかえる。それほどにミラの声には怒気が込められていた。
「彼はたった一人で私をホラーから救ってくれたわ。普通の人だったら逃げ出したくなるような絶望的な状況からね。そんな人をただ魔法が使えないから落ちこぼれ?ふざけるんじゃないわよ。彼のことを知りもしないでそんなこと言うなんて反吐がでるわ」
ミラの言葉を黙って聞いていた二人は立ち上がると怒りに顔を歪めながらそれならと話を続けた。
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