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チワワ探偵事務所
「あ~!世の中愛が足りねぇよ!愛が!」
春にはまだ寒い昼下がり。チワワ探偵事務所に意味不明の叫びがこだまする
「変質者になるにはまだ早いですよ?てか、また振られたんですか?」
叫んだのはチワワこと千葉。探偵事務所の所長兼唯一の探偵
「振られてねぇよ!つか、俺が振られるとでも思ってんのか?」
「はい。思ってます」
サラリと毒を吐くのはアルバイトで経理担当の恵。上司ではなく部下である
「仕事だよ!仕事!ここ数ヶ月の俺の仕事内容見た?一体何件浮気調査したと思ってんだよ」
「あ~。5件ですね。うち2件は千葉さんのその探偵事務所の名前に似合わないデカイ図体が目立って失敗してますから、もっと仕事してください」
「最終的に解決してるから、失敗なんかじゃねぇよ!つか、もっと愛のある仕事がしたいんだよ俺は!」
「あぁ。見立て殺人とか、密室とか言うヤツですか?不穏な事考えますね」
「そりゃ探偵の仕事じゃなくて、名探偵の仕事だわな」
千葉はやる気なく事務所のソファに寝転がる。つまり、今日は暇なのだ
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