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「それで、その後…お母さんが近所でいっぱい空き巣に遭ってて、前のおばちゃんの家も空き巣に遭ったって……。僕がガラスを割ったから、泥棒が入りやすくなったんだと思ったら、怖くてお母さんにガラスを割ったって言えなくて……」
「で?悪いと思ったから、更に家に上がり込んだのか?」
「違うよ!だって!空き巣はまだ捕まってないのに、おばちゃんの家のガラスはまだ直ってないんだよ!ガラスを直すお金を盗られちゃったんだと思ったから」
罪滅ぼしのプレゼントを持って、自分1人でこの家を守ろうと必死だったらしい
「あら。ガラスを直さなかったから……。ごめんなさい。違うのよ」
和子は自分の息子がガラス店に勤めているので、そこに頼んだらしいのだが、身内だからって息子に面倒くさがられてなかなか来てくれないのだと笑った
「誰にも言えなくて、辛かっただろ?」
悠太は涙を流しながら頷く
「今度はちゃんと玄関から入ってくれると嬉しいわ。プレゼント。ちょっと怖かったけど、ちょっと楽しみでもあったのよ」
優しい子なんだと思う
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