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「さって。今回の依頼は愛はあったけど、ガキと年寄りで色気は無かったし。片町の姉ちゃんにでもお色気部分は癒して貰うかな?」
まだ冷える犀川沿いの道をのんびり歩きながら、千葉が言う
「今回の無料働きは大目に見ますけど、次はガッポリ稼いで貰いますからね!」
背の高い千葉がのんびり歩いても、恵は小走りになって着いていく
「片町で遊んでる暇なんてありませんよ?この事件を解決してる間に事務所から転送された電話で、3件。もう依頼は受けちゃいましたからね!」
「おい。ちょっと待てよ!俺の癒しと色気は?」
「馬車馬のように働いて下さい」
「種馬のようじゃダメ?」
小走りで横に並んだ恵がみぞおちに綺麗に華麗に肘を入れる
通行人には何も無かったのに勝手に千葉が崩れて行ったように見えただろう
「ほら!千葉所長。何やってんですか?花見にはまだ早いですよ!」
まだ蕾も膨らまない桜の木の下で崩れている千葉に恵は爽やかに声を掛ける
「愛が足りねぇよ……」
「これが私の愛ですよ!」
恵は楽しそうに笑う
千葉の愛が優しさと色気に包まれる日はまだ遠そうだ
end
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