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初老の女性は道下 和子(ミチシタ カズコ)と名乗った
「で?今日はどう言ったご相談ですか?」
勝手に話を断られてはいけないと、千葉をお茶汲みに出して恵が話を聞く
どちらが所長か分かったもんじゃない
「えぇ。最近の事なんですけど」
和子は陰気に俯く
「最近。知らない間に物が増えているんです」
「はい?」
すっとんきょうな声を上げたのは千葉の方だった
小声で恵を呼ぶ
「おいおい。あのオバサン。ちょっと早いが若年性認知症かそうじゃなきゃ買い物依存症なんじゃねぇか?そしたら、これは探偵の仕事じゃなくて、医者の仕事だぞ?あ。万引き常習犯か?」
「まだ途中です。どうでも良いから早くお茶を出してくださいね」
席を外してすみません。と最上級の営業スマイルで和子の元に戻る
お茶を持った千葉も一緒だ。どうやら、恵は手元に置いておいた方が千葉をコントロールしやすいと思ったようだ
「増えてるって言っても、たいした物ではないんです。川原で拾ったような綺麗な小石とか、何処からか摘んできたような花だとか」
「はぁ」
千葉も恵も話の行き着く先が全く見えない
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