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和子の案内で千葉と恵は道下家に赴く
鍵を開けて家に入ると、今日も台所のテーブルにプレゼントが置いてあった
「四つ葉のクローバーか。この季節じゃ探すのも大変だったろうに」
クローバーを摘まんで、少し楽しそうに千葉が笑う
「一応、家の点検させて貰いますね」
そう言うと、和子の許可が出る前に恵と見回りに出掛けた
「はぁぁ。所長。完璧に施錠されてますよ?これじゃあ細身の私だって何処からも侵入出来ません」
恵は早々に匙を投げる
「割れたガラスはまだ直してないみたいだな」
「そんでも、ベニヤ板でしっかり固定してるじゃないですか」
「お。猫用扉もあるのか。この大きさだと柴犬くらいは入れそうだな」
恵はため息をつく
「まだ何かの恩返しとか思ってんじゃないでしょうね」
「うん。この大きさなら、推理通りだ」
パチンと指を鳴らして、満足そうに千葉は振り向いた
「ごんぎつねだよ」
呆れて半口を開けたままになる恵
「……まさか。本気ですか?本気で狐のせいにしちゃうんですか?所長ってファンタジーを信じてるそんなロマンチストでした?」
「だから!……あぁ。面倒だな。説明は犯人を捕まえてからだ!」
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