9人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日
和子に出掛けるフリをして貰い、家の中で待機していた千葉と恵によって犯人は呆気なく捕まった
「え?犯人は狐とは違うじゃないですか」
恵の言葉に千葉はため息をつく
「お前、ロマンチストか?てか、加賀百万石の小京都、金沢に化ける狐が出るとでも信じてたのかよ」
「だって!千葉所長がごんぎつねなんて言うから!」
千葉と恵の前には、小学生か幼稚園かそれくらいの男の子が1人
「や。こいつは間違いなくごんぎつねだよ。そうだろ?」
千葉の言葉にも黙ったまま、泣きそうになるのをこらえている
手には今日のプレゼントだろう、菜の花が握られたままだ
そこへ、連絡を受けた和子が戻ってきた
「すみません。遅くなって。……って!悠太君!?」
悠太は向かいに住む家の子どもで、今年4月に一年生になる子だった
「……おばちゃん。ごめんなさい」
悠太の目からこらえていた涙がぼろぼろとこぼれた
「一体、どういう事なんですか?」
恵と和子の視線が千葉に集まる
「悠太。俺が喋っても良いか?」
悠太に断って、千葉は口を開いた
最初のコメントを投稿しよう!