第一章五十嵐 崇

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きっと彼奴を見られたら、俺は友達できても、どうせまた一人になるんだし。 授業は昔から受ける必要もなかった。真面目に受けるのは、最初ぐらい。そうこれが俺だ。小さいときからの家庭教師、ピアノ、弓道など出来ることは、すべてやって来た文武両道人間だ。だからわからないことはないはず。 「ねぇ…」 「ねぇってば五十嵐くん!」 「へっ…あ…ごめん」 やべぇ、まじで気付かんかった。 「いいんだけど、ぼーっとしてるけどどうしたの」 お節介か心配してるのか…わかんねぇよ。 「考え事…」 「そっか!なにかあったら、話してね?」 なんで? なんで?加藤はこんなに優しいんだよ… そりゃあ、おれも人間は信じてないわけではない。こう良い子もいるのだって、知ってる。だいたいは…優しい人が多いのかも知れない。でも逃げる人を俺は、一切優しいって言わない。 キーンコーンカーンコーン 「起立ありがとうございました。」 授業が終るとみんなそれぞれ廊下へ言ったり。隣のクラスへといきだした。今教室には、俺を含めた数人が残っている。 「あの…五十嵐くん…」 この人達誰? 「はぁ」 「私達あいかと仲良しなんだけど、良かったら、友達になってくれないかな?」 友達…俺と? 「ごめん…言ってくれたのは、嬉しいけど友達いらない…」 どうせ友達になっても、別の俺をみたら皆、俺の前から逃げるんだ。だったら最初からいないほうがまし…。
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