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きっと彼奴を見られたら、俺は友達できても、どうせまた一人になるんだし。
授業は昔から受ける必要もなかった。真面目に受けるのは、最初ぐらい。そうこれが俺だ。小さいときからの家庭教師、ピアノ、弓道など出来ることは、すべてやって来た文武両道人間だ。だからわからないことはないはず。
「ねぇ…」
「ねぇってば五十嵐くん!」
「へっ…あ…ごめん」
やべぇ、まじで気付かんかった。
「いいんだけど、ぼーっとしてるけどどうしたの」
お節介か心配してるのか…わかんねぇよ。
「考え事…」
「そっか!なにかあったら、話してね?」
なんで?
なんで?加藤はこんなに優しいんだよ…
そりゃあ、おれも人間は信じてないわけではない。こう良い子もいるのだって、知ってる。だいたいは…優しい人が多いのかも知れない。でも逃げる人を俺は、一切優しいって言わない。
キーンコーンカーンコーン
「起立ありがとうございました。」
授業が終るとみんなそれぞれ廊下へ言ったり。隣のクラスへといきだした。今教室には、俺を含めた数人が残っている。
「あの…五十嵐くん…」
この人達誰?
「はぁ」
「私達あいかと仲良しなんだけど、良かったら、友達になってくれないかな?」
友達…俺と?
「ごめん…言ってくれたのは、嬉しいけど友達いらない…」
どうせ友達になっても、別の俺をみたら皆、俺の前から逃げるんだ。だったら最初からいないほうがまし…。
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