始まり

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歩き出してふと思う。 『そういえば名前何ていうの?アタシは綾瀬マリア(アヤセマリア)よ』 「ハーフなのか?」 『あっ‥、うん』 まさか当てられるとは。 『そうよ。三年間アメリカにいたことがあるの』 「俺は二条凌(ニジョウシノグ)」 『凌って呼んでいい?アタシのこともマリアでいいから』 凌はあぁ、と頷いた。 黒髪美少年、二条凌。 一見寡黙そうにみえるが意外としゃべる。 身長はアタシと変わらないがけっこう伸びると思う。 『んでまぁ、学院のことだけど。 アタシも凌が言ったものしかもらってないわ』 「へー‥‥」 田畑に挟まれた道をゆっくり二人で歩く。 『カリキュラムとか、部活とか、寮の部屋とか普通はもっと説明があるものじゃないかな?』 「それは思った」 『あと制服とかなさそうなのも気になった。中学って大体どこもあるじゃない?』 「それは気付かなかったな」 凌は頭良さそうだから気付いてると思ったんだけど。 『それと小遣いは向こうから支給されるらしいこともな』 「え‥‥そうなの?」 .
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