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次の日、いつもの変装でいつも通り学校へ向かう。
いつもの変わらぬ日常だ。
高等部校舎に入り、廊下をわたっていると、いきなり手を引かれる。
僕はそのまま空き教室に連れ込まれた。
「よぉ~、火山翠君?」
声と共に現れたのは僕の非日常の人物。
そう、そいつはまさしく八雲 旺彌だった。
バレた!!会長に!!
ここはとぼけよう!!
変装している僕は別人だ!!
「おはようごさいますぅ~、会長とお話しできて僕、とっても感激です~!!
あのぉ~、火山翠さん?って誰ですか?僕は村上翡翠(ムラカミ ヒスイ)ですよぉ?」
背が小さいなら、チワワ軍団の真似をしちゃえばバレない!!
違う人間だって思うハズ!!
「ばぁか、とぼけんな。
村上翡翠はお前の母親が再婚する前の名前だろ?
お前の母親から聞いた。」
僕は母さんが再婚したときに名前が変わっている。
翡翠は父さんがつけた名前だ。
父さんがいなくなる日、父さんが僕に名前を変えるようにいった。
母さんが少しでも、辛くならないようにと。
だけど、僕は父さんからの贈り物である名前を変える気にはなれなかった。
だから、翡翠の一字を取って、翠という名前に変えた。
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