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「あの…、会長。
僕を見つけたのは、すごいですけど…まさか、昨日の事、本気じゃないですよね?
そんな面倒なこと、しないでしょう?」
僕なんかを選ばなくても、こいつの周りには親衛隊と呼ばれる物好きの集まりがいるから、選びたい放題なはずだ。
「俺はお前を本気で落とす気だ。
覚悟しろよ。」
僕は自信ありげな会長をみて、盛大なため息をついた。
「なんで、僕を選ぶのか、理解に苦しみますが…
約束は約束ですからね。
あなたと婚約なんかイヤだ、という僕の意見も忘れないでくださいね、旺彌。」
名前を読んだのはいうなればご褒美、というやつだろう。
僕が彼を名前で呼ぶと、平穏な学校生活を送れなくなるというリスクは高くなる。
だが、もう、落とす宣言をしているのだから僕に平穏な学校生活はもう望めない。
なら、今更だという気持ちにもなった。
さよなら、今までの楽しいスクールライフ。
僕は、心の中で平穏な学校生活に別れを告げ、教室を出た。
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