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翠が出てった後を俺、八雲旺彌は見つめたままだった。
せっかく捕まえたのに、まさかああくるなんて思わなかったため、一瞬腕が緩んだ拍子にスルリと抜けられた。
今まで、男も女も向こうからやって来た。
だから、人を好きになるなんて、一生ないと思っといたのに。
翠の存在は俺に恋を教えてくれた。
一目惚れなんて、迷信に過ぎないと思っていたのに、まさか自分がそれになるなんて。
今まで知ることのなかった感情に正直戸惑っている。
でも、その戸惑いさえも、楽しんでいる自分もいる。
「どうするべきか。」
俺があいつを落とすのはどうすればいいだろう。
アイデアを巡らせていると後ろから肩を叩かれた。
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