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「おい、お前ら!!
翠はお前らなんか比じゃない位にかわいいんだよ!!
オタクルックは変装にきまってるじゃねーか!!
俺はあいつを落とす予定なんだ。」
そういうと、全員が意外という顔をした。
だが、無理もないだろう。
今まで、特定の人間を愛した事がない俺が、いきなり惚れた発言をしたのだから。
「翠君?って、火山翠…だよな?」
柚紀がぽそりと呟く。
「柚紀、何で知ってるんだ?」
不思議に思い、聞いてみる。
「なんでって…学年主席だから、いつも張り出されてるだろ?
帰国子女なのに、高等部編入してからずっと、主席キープだから特別ルームにいるって。」
特別ルームとは、生徒会役員専用フロアの1つ下のにあり、各学年成績上位者がいるのだ。
「えっ!?今の、翠…?」
今度は聖が聞き返す。
「そうだって言ってんだろ。」
俺はこの問答がめんどくさくなって、少しなげやりにいった。
「センパイ…翠って、元村上翡翠じゃないですか?」
聖は真剣な表情だった。
俺は度肝を抜かれた。
翠が改名していることをなぜ、聖が知っているのか。
俺は内心疑問を持ちつつ、冷静にそうだと肯定した。
「やっぱり…。
翡翠、戻ってきたんだ。
よかった。
実は、小3まで同じクラスで、大の仲良しだったんです。
スッゴクかわいくて、とってもモテてる男の子に告白されてたんですよ。
改名したって言うのも、手紙で聞いてたんです。」
聖が昔の翠を知っていることは少しイラっとした。
「へぇ、可愛かったんだぁ~。
翠ちゃんか~。
あれ?でも、翠ちゃんのネクタイ…緑色だったよね?」
と弥生は疑問をぶつける。
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