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やっと指定のレストランに着いて、案内してもらう。
個室みたいだ。
中に入ると母と他に一組の夫婦と、そして一番嫌い……じゃない、一番要注意人物がいた。
「ゲッ!!ヤリチン会長!!」
見つけた瞬間の第一声。
言った後に気付く、一番言ってはならない人に言ってしまったことを。
「はぁ!?誰がヤリチンだ!!っつーか、俺の事を知ってるのか?」
目の前の男が言う。
そう、僕はこいつを知っている。
同じ学校の生徒会長、八雲 旺彌(ヤクモ オウミ)は遊んでいる事で有名だ。
来るもの拒まず、去るもの追わずのポリシーに、認めたくないが、男から見てもかっこいい。
整った顔立ち、切れ長の目、鼻筋も通っていて、唇の形もいい。
髪はダークブラウンで、瞳は緑という、日本人離れした顔だ。
隔世遺伝ってやつらしい。
両親を見る限りじゃ、母親がハーフってとこ?
そして、僕と正反対の体。
しなやかな筋肉に逞しい身体は普段着やせタイプのため、分かりにくいが、見てたらわかる。
筋肉のつきにくいタイプの僕にとっては、コンプレックスの塊みたいな人だ。
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