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かれこれ二時間は歩いただろうか?そろそろ体力にも限界が来ていた。
(ヤバイ、さっきよりも酷くなってる・・・)
頭の血は既に止まっていたものの頭痛は収まらず、寧ろだんだん激しくなってきている気がする。なんだかフラフラするし。
そして何より、
「グ~ッ」
(あぁ、もう、我慢に限界が近づいてる……)
お腹が減りすぎて、辺りに響き渡るくらいの大きな音が鳴る。と同時に、横にすれ違った女の子がこちらを一瞬振り返った。しかし、見てはいけないものを見てしまったかのように目を反らされる。
ショックを受けたけど、仕方無い。
何しろあたしはパジャマ姿なのだ。しかも薄汚れてるし。
もう、ほんとに泣きたい。
お金も無いし、家もない。知っている人もいない。そもそもここが何処だか分からない。
取り敢えず警察を頼ればいいかなぁと思って探してるけど、一向に見つからない。
て言うか、さっきから同じ所を何回も歩いている気がする。
空は日が沈み始め、これから夜をどう過ごそうか悩んでいると、段々目の前がブレて見えるようになってきた。
おかしいな、目を擦っても治らない……。
疲れているのかと思い目を閉じた瞬間、そのまま体に力が入らなくなって、あたしはその場に倒れこんだ。
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