恋愛事情。

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最初に話しかけたのは俺。 当然入学当初から目立ってた愛樹に 女子はもちろん、 話しかける男子もいなかった。 まあたしかに あんなキラキラしたオーラのやつに 話しかけるなんて普通はできない。 だがしかし俺はなんも考えないガキだったわけで。 (いまも物事は深く考えないけど) ふつうにカッコいいやつとは 友だちになりたい!って話しかけた。 『はじめましてー俺、 陸川羽太っていうんだけど お前すっげーイケメンだな!!!』 たしかあのときは 愛樹が10秒くらいしてから答えた。 愛『うた?うたのうた?』 『(うたのうた? 口頭で言われてもわかんねぇよ…)』 それから、 イケメン変人ってイメージになったんだよな。 『愛に樹で、なんてよむん? あいき?まなき?』 愛『……いつき。 完全なる、当て字ってやつ。』 『名前もイケメンだなー! あ、じゃあいつきってよんでもいい?! 俺のことはうたってよんで―』 …………お? なんか………赤い? 愛『………うん』 愛樹が赤くなったのを見たのは これが最初で今んとこ最後だ。 いま考えると あのやりとりってすげー女子っぽかったけど あんな会話をしたのは、愛樹だったから。 なんだか普通の男子みたいには 話しちゃいけないなって思った。 赤くなった理由はいまだによくわからないけど。
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