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「失礼しまーす…」
ゆっくりと保健室のドアをあけると、
中には先生も生徒もいなかった。
ほっと一安心も束の間、
風でゆれたカーテンのすきまから
端正な横顔が見えた。
「きれー……………」
まるで宝石を見たかのように
自然にこぼれた言葉に
美郷はハッと口を手でおさえた。
美しい横顔の持ち主は
声にきづいて、チラッと美郷を見る。
「……先生ならいないよ」
美しい顔に似合う、美声。
そしてまとった美しいオーラ。
まちがいなく、
綾沢愛樹………だ。
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