【1】西河成海という少年

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「ふゅるさい!(うるさい!)」 「メイド服とか似合いそうだな、うん……」  不機嫌さMAXな表情で食パンを口にねじ込むと、スケバン風の少女は再び成海を睨みつける。 「貴様、転校生か?」 「西河成海、よろしくな! 君の名前は?」 「貴様みたいな類人猿に語る名前などない」 「こういうタイプの美少女も好きだぞ。ツンデレとはまた違う強気な態度というかだな。つまるところ、俺は今……萌えを感じているッ!」 「は?」 「好きだ、付き合ってくれ!」 「出会ってすぐの告白なら受けつけんぞ。それよりも……」 「受け流された……成海くん泣きそう」 「……ったく。あれを見ろ」  スケバン風の少女は坂の頂上に位置する校門を指さした。そこでは赤いジャージの男性教師が門を締めようとしていた。 「転校初日のひよっ子の貴様に教えてやる」
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