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「類人猿の次はひよっ子……」
「この校門は八時三十五分ちょうどに閉まる。入れなかったものは体育主任の赤ジャージによる遅刻者特別指導が待っている」
「それってなに?」
「校庭三十周」
「なるほど、転入初日から青春の汗をかけるということか、素晴らしいな」
ガラガラという音とともに校門が里芋のような顔をした赤ジャージによって閉ざされていく。
「もうだめだぁぁああぁぁぁぁ!」
「サイアクー」
「嫌だよ……あんなの、嫌だよ……認められるわけないじゃない」
「大佐だけでも生き残ってください……」
「俺のことは放っておいて先に行けぇぇええぇぇぇぇッ!」
閉じていく校門を前に脱落者が続出する。
ある者は地面に崩れ、ある者は地面に崩れ落ちたはいいがその反動で坂を転がり落ちていく。
「どうする? こっからだと間に合わないぞ?」
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