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少女の足元には一人の女性の手が落ちていた。第二関節から先は肉片と化している。
その手の主こそ、少女が〝お姉ちゃん〟と慕っていた女性のものだった。
「お姉ちゃんは何も悪いことなんかしてないのに、それでも殺した!」
「予知能力は俺たちにとっては厄介らしい」
「そんな理由だけで!」
「運命というこった。本当に残酷なもんだなぁ?」
二人の間には蠢く炎の壁が形成されようとしていた。
だが、少女はそれを突っ切って死神へと突撃した。
機械的な太刀を振り上げると、死神の首元を照準に捉える。
「お前も殺してやろうか? 体がウズウズしてんだ」
少女の周囲には紫電が竜巻のごとく吹き荒れていた。
「殺してやるッ!」
「それはこっちのセリフだ」
死神は落ち着いた様子で少女の太刀をかわすと身を翻して、その間に腰から取り出した一本のククリナイフで少女の右腕を肩から切り落とした。
「がァァアァア――――――ッ!」
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