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「監視してやがったのか」
『ああ、とても嫌な光景だよ。君が人を殺している光景を見ると……吐き気がする』
「殺すなってか?」
『殺す必要は無いだろう? ナンバー12はお前と根本的には同じ能力だ、放置しておいてもなんの問題もない。殺しても〝向こう〟をさらに怒らせるだけだ。〝外生〟の方々も黙っていないだろうな』
死神は怪訝そうな声で、
「ああ、わーったよ。それがクライアントの命令ならそうする。ったく、まぁこれが〝死神〟の仕事なんだろうけどよ……」
無線機を叩き切ると腰に収めて、少女の首元にククリナイフを突きつける。
「命拾いしたな、まぁ運が良ければ生きているだろうよ……」
血の臭いが死神を刺激するのか、死神は早々と少女から離れると紅蓮の炎の中を去っていった。
心なしか、死神は嗤っているように思えた。
「お、姉ちゃ……ん。私……」
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