レミニエの花を

昔々･･･

昔々、この国では二つの種族が互いに助け合いながら生活していました。

一つはフェルクス。
深紅の瞳を持つ、好戦的で明るく元気なヒト。
男族長の名をディアロ。

一つはエフェリス。
瑠璃の瞳を持つ、道徳的で優しく物静かなヒト。
女族長の名をリュート。

全てが正反対。
しかし二種族は平穏にすごしました。

雪の多きこの国、リズヴァニア。
互いが手を取り合い、毎年必ず押し寄せる白き地獄を乗り越えてきました。

しかしその平穏は他者の手よって壊されました。

リズヴァニアの隣の大国、アドレイドの侵攻です。

リズヴァニアは戦火に包まれました。

ディアロ率いるフェルクスは剣。
リュート率いるエフェリスは魔術。

それぞれが固有の力で、国を守ろうとしました。
しかし大国の脅威には敵わず、リズヴァニアはアドレイドの支配下に置かれてしまいました。

ほとんど絶滅した二つの種族。
族長は生き残りの枷として牢に閉じ込められていました。

彼らは共に語り合いました。

この先の未来。
自分の種族。
相手の種族。

それまでの平和を奪ったのは誰か。

どのような罰を与えようか。

そして決めたのです。

―――･･･や八子を創りましょう？