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翌日、兵が二人を確認に石の階段を登ります。
彼が松明の火を灯すと、そこにはフェルクスとエフェリス族長が二人、安らかに横たわっていました。
その傍らには、右目を赤、左目を青にした赤子が小さな産声をあげていました。
兵は二族長の死を上に伝え、そして再び牢に戻りました。
そこにはまだ、しゃくりあげている赤子がいます。
兵はその赤子をそっと連れ出し、元リズヴァニア領土の氷雪の森へ離しました。
その後の赤子を誰も知りません。
しかし数日後。
その氷雪の森にヒトの血の染みた雪と、ヒトのものらしき骨が点々と散っていましたとさ。
《ターリル童話 より抜粋“人喰い”》
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