一章

13/13
前へ
/13ページ
次へ
「俺ちょっと着替えてくるから、先に俺の車行ってて…あ、歩けねーか。」 「大丈夫、ちょっと寝たら軽くなった気がするから!!」 そう言って起き上がって歩いてみると、普通に大丈夫だった。 「本当に大丈夫か?なんかあったら近くの先生に言うんだぞ?」 「うん!」 「よし、じゃあ着替えて速攻向かうから」 私の頭をポンポンとなでて笑顔で走って行っちゃった先生。 陸上で全国に行ったほどの先生はめちゃめちゃ足が速い あっと言う間に見えなくなった背中 それに続くようにゆっくりと私も駐車場へ向かった。 ドキ…ドキ… 相変わらず脈が速いのがわかる それは私が恋をしている証であり、 どんどん好きになっているということを知らせてくる音。 この恋がどんなに苦しくて どんなに難しいものか この時はなにもわからなかった。 ただただ、先生の全てに夢中だった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加