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少しだけ昔の話をしよう。
二つの世界に歪みが出来てしまった時の話だ。
一人の少女のせいで、表の世界と裏の世界が完全に分離され、別物となってしまった。
その少女の名は誰も知らない。
しかし、少女はその後封印されたそうだ。
深い森の奥に━━━━━
少女は未だに見つかっていない。
きっと君なら見つけられるのでは無いだろうか?
そう思い、私は君をここに連れてきたのだよ。
透き通った瞳の女が遠いどこかを見つめながら、そう俺に話してくれた。
━━━━その少女は、本当にまだ何処かに存在してるんでしょうか?
俺の問いに、女が答えることはなかった。
ただ小さく微笑み、分厚く年期の入った本を閉じた。
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