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「…戻ることは出来ないんですか?
母や姉や皆のところにっ
戻ることは出来ないんですか…?」
「残念だが、不可能だ。」
門番が冷たい声で言った
「どうしてっ…!?
あと65年もあるなら…」
私は必死に言った。
少しの期待を込めて。
しかし、その期待は
あっけなく砕け散った。
「運命は時に残酷なんだよ。
美羽ちゃん。
これが君の運命だ。」
そう言って門番は
私にハンカチと紙を渡し
目の前の門を開けた。
どうやら私は
知らぬ間に泣いていたようだ。
瑠花ちゃんが小さく言う。
「お姉ちゃん、行こう。
この門の先が
お姉ちゃんの新しい運命だよ。」
私達は門番に見送られながら
門の先へと歩いていった。
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