一人

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「高野先生!事務の仕事までしなくていいですから!」 「あ…ごめん、つい…」 …また…怒られてしまった。 弁護士生活3年目に入るというのに、つい電話番からコピーからお茶くみまで手を出してしまう私…。 そりゃ事務員さんも怒るわ。 「一人でやり過ぎですよ!」 その言葉に私は反応する。 「私、一人が好きだから」 …きっと、事務局の中では、私は可愛いげがないと言われているに違いない。 独立して一人で働こうかな…そしたらそんなこと気にする必要なくなるし、自分一人くらい食わせていけるし…。 いや、一人と一匹か…。 …はっきり言って、私より可愛くない女は見たことない。
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