一人

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どこ…? いつから、いなくなっていたんだろう。 もし見つからなかったらと思うと、背筋が冷えた。 マンションの周りには、いない。 何周もマンションの周りを探しても、見つからなかった。 それでも家に帰ることはできずに、家の目の前にある公園に入っていく。 「裕太?裕…」 その時、私の目に人影が飛び込んできた。 私の「いつものベンチ」に座っている。 その膝には…。 「裕太!」 私が声をかけると、そのしなやかな身体が動いて、私のもとに走ってきた。 「裕太…っ!」 しゃがみこんでひたすら撫でていると、気づけばさっきの人影が近づいていた。
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