プロローグ~失恋と初恋~

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先客は高校生だった。 横に置いてあった鞄は、姉が可愛いと言っていた鞄だったから、知っている。 …別に、それだけ。 人がいるなら、気分転換にはならないかな、そう思って公園を通り抜けようと思った。 でも…彼女の目の前を通り過ぎるとき、ちらっと見えた震えが、僕を立ち止まらせた。 体調が、悪いのかもしれない。 そうじゃなきゃ、こんなに寒いのに、震えながら一人で公園にいるわけない。 だから、僕は声をかけた。 「あの…」
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