プロローグ~失恋と初恋~

5/13
前へ
/83ページ
次へ
思いの外、出たのは小さな声だった。 少し人見知りの傾向がある自分を、今初めて思い出す。 そんな小さな声だったけど、彼女は下を向いていた顔を上げた。 顔色は、悪い。 化粧をしている高校生も多いとか兄さんは言ってたけど、彼女は素顔にしか見えなかった。 色白のせいか、余計に顔色が悪く見えるのかもしれない。 「大丈夫、ですか?」 彼女の目の前で、また小さな声で言うと、彼女は驚いたように目を見開いて…涙を零した。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加