始まり

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―――それがどんなに悲しいことなのかも知らずに。 それでもいい。 自分を保てるなら知らない、っていうことも必要なんだ。 だけど、『違う誰か』って思っていても体はひとつしかない。 だから自分が苦手としていることをずっとしていると疲れる。疲労感がとてつもない。 休憩とか気を抜けるときはおもいっきり抜いてる。じゃなきゃ、保っていられない。 家ではメガネを外すけど、お風呂に入ってるときが一番危険。 疲れすぎてぼーっとしてると、浸かりすぎてよくのぼせる。 のぼせると体が重たくてもっと疲労が溜まるけど、適度な疲労感でぐっすり眠れることもしばしば。 体調管理をしっかり…って心がけているけど、心の疲労。 つまり、メンタルケアが自分で何とかできたら人の目を気にするなんて精神が繊細なんてことにはなっていないだろう。 こんな私だからちょくちょくお兄ちゃんが様子を見に来る。 「生存確認―」なんておちょくってくるけど迷惑をかけているのは明らかで、仕事が忙しいお兄ちゃんに負担にならないようにするためにやっぱり体調管理だけはしっかりしないと。
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