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「これ以上の勝負は意味のないものだ。『ルールに大将戦で勝敗は覆る』とあったかな?」
決闘は正々堂々と公平に執り行われ、不測の事態も特に起こる事なく進行していった。
しかし、僕の──大将戦に入る前に決着は着いてしまい──出る幕はなくなってしまった。
ハズだったのだが、大将戦に控えていたトモダチがどう考えても理に適わないことを言ってきたのだ。
「3勝1敗2分けという結果が出た今、僕とキミの戦いは無駄なモノになったと思うのだが?」
「てめえは自分で戦うことなく、他人(ひと)の力で得た勝ちだろうが!
こんなの最初から無効に決まっている!」
トモダチは自分が戦うことなく、リザの退学を決定的にしてしまった現実を受け入れられず、先ほどから憤っている。
「『決闘』のルール上は問題ないことだ。
決まってしまった後で言われても取り消せるモノでもない。
これが結果なのだよ。落ち着いて現状を受け入れたまえ」
先生がトモダチに冷静になるように言う。
結果が出てしまった以上、何を言っても後の祭り、『負け』という事実の前では犬の遠吠えに等しいのだ。
僕が出る事なく終わってしまった、というだけで騒ぎ立てるのは見苦しいことこの上ない。
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