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僕が【色無し】への差別に行使までするだけで、【不出来な息子】と称されるのではないが、今はどうでもいい話だ。
目の前の勘違い野郎が非常に腹立たしい。
何故こんなにムカッ腹が立つのか、煮え立つような気分になるのかは理解できないでいるが、そんな感情を抱いている。
リザの退学を揺るぎなきモノにして、他の【色無し】も退学に追いやる計画を台無しにするリスクを忘れて提案する。
「キミと僕の大将戦だけ勝利数を3にしよう。
そのくらいのルール変更はできましたよね、先生?」
困惑させて固まらせてしまったが、先生は「認めよう」と了承してくれた。
教師はこれ以上、秘蔵っ子が傷物になることやお気に入りの品の価値を貶められるのを躊躇い、渋々であったが了承した。
「これでお前が負けて、やっぱり無しだ、なんて言うなよ!」
自分のことを棚に上げてどの口がそれを言う、とこの場にいたメンバーや他のトモダチ、先生、教師まで思ったようだ。
「【フリーランド】家の名に於いて、異論はなく、異存もなく、遺恨無く受け入れよう」
家名を出して宣言する。
僕のような下郎の言葉など所詮どこで聞かされようと価値は無に等しいが、公式の場で使う効力は絶大だ。
ただの子ども同士のケンカなのに、負ければ家名に泥を塗り、勝って獲られるモノは何もない。
いや、僕の小さなプライドを満たすくらいにはなるだろうか?
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