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決闘当日、闘技場にて僕の揃えたメンバーとリザのトモダチが顔を合わせることになる。
秘蔵っ子たちは、僕側についた実力者たちを見て大層驚いていた。
何故こんなクズと組むのか? と興奮しだして罵倒する。
メンバーの一人が、「自分の実力を試してみたい」と熱く語り始め、トモダチは感化されたのか大人しくなり静かになった。
目の奥がゆらゆらと揺れているようで彼らを好敵手(ライバル)と認め、闘志を燃やしているのだろう。
参ったな、集めたメンバーが全員降参したら僕の負けは確定してしまうな、
と想定すべき条項を失念してしまっていたことに噛み締めた笑いを洩らしてしまう。
目ざといトモダチは一斉に僕を黙ってにらむ。勘違いされているようだが、敢えて訂正せずノせることにした。
「美しい友情『ごっこ』はそれくらいでいいかな?
それと勝負はまたの機会にするのかな?
僕はいいけど、その分彼女を連れ戻すのに日数が掛かるな……」
演技には自信がないし、やってて滑稽な様だと思ったが、冷静さを失ったトモダチはこれを真に受ける。
こちらのメンバーも軽蔑混じりの視線を送るほどに真に迫っていたのだと安心する。
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