プロローグ

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「え?」 幼女は、キョトンと男の子を見つめた。 「歌ってくれないの…?」 男の子は、少し顔を歪めた。 慌てて、弁解する、幼女。 「あ…あれ、まだ・・・完成してないの…だから…」 すると、男の子は微笑んで、言った。 「そっか。 じゃあ、完成したら、聴かしてね」 「うん! 完成したら、絶対に、聴かしたげる!!」 幼女は、満面の笑みで言った。 「サンー!」 背後から聞こえた母の声に振り向く、幼女。 「あ!おかあさーん!!」 幼女は、男の子に向き直ると、言った。 「ごめんね、おかあさん来たから、帰らなきゃ…」 男の子は、頷いた。 「また…会える?」 幼女は、俯きがちに男の子に言った。 すると、男の子は、幼女の頭を撫で、哀しそうに笑い、 「いつか、ね…」 と、返した───────
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