第壱話 弔歌-トムライウタ-

2/7
前へ
/27ページ
次へ
「──────ン…」 「サン、起きろっ!!」 スコーン! 教師の怒号と共に、サンと呼ばれた少女の頭に、チョークがクリーンヒットした。 「痛っ! 嗚呼…アツゲか…」 少女───奏音サン───は、厚化粧の担任の姿を視界に認めると、また、机に突っ伏した。 「誰が“アツゲ”だ! まったく…毎時間、毎時間居眠りして…。 少しは、真面目n「嫌だ」」 サンは、担任の台詞を遮り、また、眠りに落ちた。 それを知ってか知らずか、担任は、まだ、説教を続ける。 「そんなんじゃ、良い高校に行けないよ!? ちょっと、聞いてる!?」 周りの生徒は、慣れている光景に微笑んだり、担任に呆れたりしている。 「アツゲも懲りないよね」 「いっつも、シカトされてんじゃん」 「サン様、今日も、美しいな~」 「和む~」 等と言う、クラスメイト。 キーンコーンカーンコーン… チャイムが鳴り響き、午前の授業の終わりを告げた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加